『アイアン・スカイ』



(予告編のナレーション、波平さんだったんですね〜)


「月からナチスが攻めてきた!」「ファンから一億円のカンパ!」の触れ込みで、
映画ファンの話題をかっさらっていった『アイアン・スカイ』。

第二次戦争後、巨悪の象徴として戦争映画以外でも敵役として何度も登場したナチスですが、
あまりに繰り返し使われていたことにより真新しさの無くなったこと等により、徐々に登場することがなくなり、
映画の敵は「ナチス」から「エイリアン(宇宙人)」に変わっていきました。
(「テロリスト」という敵もいるんですが、ここではシーッ!)


そのナチス」+「宇宙(人)」=『アイアン・スカイ
もうこの時点で最高じゃないですか!!!

なので、正直公開前からかなり期待をしてました。
期待してたんですけどね・・・。


この映画に関する他の方の感想とか読んでないのでわからないですが、
僕は始まってしばらくして「ううぅん・・・。」ってなってしまいました。


なので今回は僕がこの映画を観ていて「もっとこう・・・」と思った所を書いていきたいともいます。


・敵側の謎を前半で明らかにし過ぎ
ナチスが月から攻めてきた!」っていうキャッチフレーズから勝手に連想したんですが、
映画が始まるまで基本的に地球側の主観で話が進むと思ってたんですね。
でも始まってみたらナチス側のシーンが結構長くて、個人的には「もっと引っ張って勿体ぶってくれよ!」と思いました。
エイリアンものとか人類の敵として現れた謎の組織ものとして観ていたので、
前半に(地球に住む)人類とは違う文明を持った物凄い力を持った存在がやって来るということを示唆される程度で、
実際にどういう武器を使って、どういう思考で・・・みたいなことは後半で示されるものだと思っていたんです。
というかそれを期待していたんですね。
それが前半のうちに丁寧に説明してくれちゃってるので、「ああ、なんかつまんなくなっちゃったなー」って思いましたね。

・レナーテ・・・
ポスター等でも強い印象を放っていたレナーテ・リヒターというキャラですが、これが意外と学校の先生で
しかもナチスに対し不信感を抱いていくという「コレジャナイ」感・・・。
ま、勝手な想像だったんですが、兵士を先導する指揮官的な役かと思ってたんですがねぇ。
グラインドハウス』のフェイク予告編の『ナチ親衛隊の狼女』ぐらいまでやって欲しいなんて贅沢なことは言いませんが、
少なくとも劇中に出てきたレナーテは小さくないガッカリでした。

・総統の不在
なんとヒトラーが出てこないんですねー。ヒトラー 〜最期の12日間〜』のパロディまでしといて総統出てこないのはナイですよ。
マッドなお薬を打ったフランケン総統でもメカ総統でも良いから出すべきでしょう!
「流石にリアル感にかける」なんて言われるかも知れませんが、そんなこと言ったら前半、月の上を走ってたバイクとか全くリアルじゃないですからね。


それ以外にも全体的になんか僕的には残念な感じでした。
ウド・キアさんもなんかボッサリした感じだったし・・・ナチス出してる割にこの映画には狂気が足りないですよ!
地球側の女の人も無駄に生々しいエロさだし、映画のパロディも結構ありましたけどそういうのいいからもっと映画として光るものが欲しかったです。
あと最後のシーンで「上手いこと言った」感みたいな風で終わっていかれてもねぇ・・・。
面白い所はちょいちょいありましたけど、それ以上にガッカリする所が多かったですよ。
もっと工夫出来たんじゃないの?と思います。CGを増やせとかじゃなく、お金をかけない所でね!


比較はしませんが、今後こういう映画が作られる時は『宇宙人ポール』のような形での過去作へのオマージュが出来たら良いですね。


〜補足等〜
・提案:今後こういった内容の映画を作る時はスーパーミステリー(Notオカルト)雑誌『ムー』の協力を仰ぐべき
・地球の宣伝デザイナーみたいな人の変な宇宙服って元ネタあるんですかね?
・劇場からたまに笑い声が聞こえてましたが、ネオナチのとこは認知度が低いのかシーンとしてました。あそこは結構好きだったんですけど。
・レーティングのせいなのかエロもグロもなかったですな!遺憾の意!遺憾の意!!
・で、結局なんで月に行ったんだっけ・・・?

・ちなみにこの日『ボーン・レガシー』の二回目も観ました。