『ボーイズ・オン・ザ・ラン』


この作品は映画→漫画という順番で観ました(読みました)。

映画を最初に観た時は、かなり楽しめました。

楽しめたと言っても、いわゆる一般的な「楽しい映画」とは違って、
この作品は結構屈辱的な気分になる作品というか、
はっきり言って「俺最強フー!!」っていう作品ではないです。

なので、卑屈な内籠もり(注:引き籠もりではない)男が頑張ったり拗ねたり無闇にやる気を間違った方向に出しちゃったりする作品なのです。
この点は映画も漫画も共通している点です。

前提としてこういうことを楽しめないと作品も映画もかなり嫌な一時を過ごすことになることと思われます。
(「俺最強フー!」を楽しみたい人は池上遼一さんの『HEATー灼熱ー』あたりを読むことをおすすめします。)


なので、この映画を「嫌な気分にさせてくれる」映画として僕は今でも好きです。
主人公に感情移入して、主人公と同じような嫌な気分を味あわせられることで「負けるかー!!」という気分になりましたね。

まぁ、矛先が一切定まらないやる気ですけど。


というわけでかなり触発されたというか影響を受けた映画だったんですが、
その後原作である漫画の方も読んでみると、
はっきり言って設定からオチから違うんですね。

内容についてあまり詳しくは書きませんが、
シネマハスラーというラジオの映画評論コーナーで宇多丸さんもおっしゃってましたが、
オチは真反対と言って良いのではないでしょうか。

でも、この点は僕は良いです。
というかはっきり言って映画版で何が良かったってそりゃ黒川芽衣ちゃんでしょう!!

ただ黒川芽衣ちゃんは普通にモテそうなので、原作の手の届きそう感は薄れてましたけど・・・。(笑)


だから原作と違ってももはやあの二人にくっついてほしいので全く問題ないんです。

いや全くは言い過ぎか。


僕はむしろ主人公の設定が変わっている所が残念でしたね。
設定と言っても表面的なことではなく、キャスティングとかキャラの性格的なことなんですが。
峯田さんと主人公の田西はやっぱり根本的に違うところがあるかなーと今でも思ってます。
むしろ峯田さんぐらい突き抜けてたら清々しいですが、田西はそこまで行けずにうじうじしてるキャラなんじゃないかと。

細かい所を書き出すとYOUさんは魅力あるけど「原作の設定的にはもうちょっと若めの年齢の人が良かったんじゃね?」とか、
元ボクサーのへべれけのおっさんも小林薫て!そしてあんたあんまり酔ってねーじゃん!」とか
まぁ色々ありますね。

ただ松田龍平好きとしてはやられてむしろカタルシスがありましたけどね。(これもキャラとあってるかというとあれですけど・・・)


ただ映画としては結構クオリティーが高くて、普通に全編観れるレベルの出来にはなってると思います。
原作が面白過ぎると細かい所も気になってしまうのかもしれませんね。ん?そうか?そういう問題なのか?


諸々含めて僕は点数付けるとしたら、100点中65点ぐらいだと思います(一般的な評価とは違うと思いますが)。

僕的にはこの屈辱的な劣等感にはまり、この後の作品を知るわけになるんですが・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=rnFhga_jfj8
(あー3Dじゃないのに峯田さんが凄い飛び出してくる。)