『モテキ』


これはサブカルマイノリティこじらせ系男子があーだこーだいって騒ぐ作品です!

ボーイズ・オン・ザ・ラン』と同時期ぐらいに知って、これはドラマ『モテキ』を観てから漫画を読んで・・・ていう感じですね。

この作品は主人公に感情移入出来ると物凄くはまってしまうタイプの作品だと思います。(ここ重要)

人生に三度あると言われる「モテ期」。それが本当にあったら・・・という物語ですが、
四人ぐらい女性に主人公のサブカル野郎が翻弄され、持ち上げられては着き落とされ、
上手くいきそうでいかないという歯がゆさや屈辱感、
そして「こうだったらいいな」というファンタジー要素がなぜか癖になる感じなんですよね。

あと「サブカル」というものに対する「イケてる」感も読者を煽る要素として大きいと思います。


まぁ、比較については漫画もドラマも大して変わりません。(あっさり)


ドラマは再現度という意味ではかなり高かったと思います。

ドラマに関しては非常にクオリティが高い作品であると思いますよ。


では映画ではどうかというと、これがビックリするほど魅力がなくなってる!


まず、漫画とドラマは内容的にだいたい同じで、ドラマは漫画の途中で終わるでもなく、先を描くでもなく、
ちょうど漫画の終わりと同時にドラマも終わっているという感じです。正に漫画を映像化したという感じ。

要は完全に物語として完結しているんです。

対して映画『モテキ』は、その先、つまり漫画にも無い内容を描いているんですね。
これは原作者の久保さんが映画のために書き下ろした脚本?ストーリーだそうですが、

このこと自体がちょっと順序逆じゃね?(映画のための漫画?原作?)みたいな感はありますが、
内容もはっきり言って蛇足と言わざるを得ないものでした。

漫画で終わってるのに・・・また!?という感じ。
じゃあなぜやるのかというと、映画『モテキ』はサブカルを見せることを目的としている作品だからだと思うんです。

twitter」「ナタリー」などの「イケてる」サブカル記号みたいなものがぶわーと散りばめられてる。
それが物語にリアリティを持たせるという要素以上の意味を持たせてるので、はっきり言ってスゲーウザい(笑)。
「こういうの、気が効いてるでしょ?」「こういうのが好きでしょ?」みたいな感じしか伝わってこない!
はいはい、部屋に『まんが道』とかあるのが良いんですね、はいテンガテンみたいな感じになっちゃうわけです。

漫画ではもっとダサい所とか痛い所含めて「サブカル」というものを描いてたと思うんですけど・・・っていうことがまず一つ、
そして、やっぱり漫画とドラマで物語終わってんだから映画的な何かが欲しいだろーっていうこと。

僕は映画版のラストに関して成長だと思いません。それは観られた方がそれぞれ決められれば良いと思いますけど。

あと、それとは別にドラマ版で終わってるのに主人公の幸世は何故おんなじ様な、むしろもっと酷い行動を繰り返すのか分からず
感情移入できなかったのは大きかったと思います。


まぁそういうのもあって、僕は「繰り返し同じ気持ちを味わいたいだけのドラッグじゃん」と思いました。


なので、ドラマに関しては良かったけど映画は残念だなーという感じですね。
部分部分は感情移入出来たりするんですけどね。精神的なバランスを崩してしまって自分でも驚くような行動をしてその着地点を見失ってしまう所とか。


あと、どうでもいいことですが、ドラマ版から思ってましたが、リリーフランキーのああいう感じ苦手です。(『ぐるりのこと。』とか最高だったんだけどな・・・)
映画版は100点満点で30点とかそんなんですね。大ヒットして好きな人いっぱいいてそれでいいじゃないですか(雑かつ悪意のある言い方)


30点分は長澤まさみのおっぱいとか・・・おっぱいとかですね。(真顔で変態発言)

http://www.youtube.com/watch?v=fV0zyJQU_uc
(やっぱオープニングだけは良いな。というかフジファブリックの曲が良いな。)