『ヒミズ』


はい!というわけで、ようやく本題の『ヒミズ』の感想に移りたいと思います。

Tジョイ京都という映画館で観ました。大手シネコンですが『ヒミズ』が上映されているシアターははっきりいってそんなに大きく無かったです。
(平日ということもあってか、お客さんも・・・)


さて、この作品ですが、原作は古谷実さんの漫画作品です。あらすじとかは結構複雑なので極力省きます。

とにかく読んでいてスカッとするような作品であるのは確かだと思います。
古谷実さんの作品は一応全部読んで大好きなんですけど、その中で『ヒミズ』は結構内容がヘビーなのもあって、
それ程好きっていう感じではないんですが、それでも相当好きだと思います。(ちなみに『僕といっしょ』が一番好きです。)


物語の内容なんですけど、押さえておきたいのは主人公が住田という少年であるということ、そしてその住田を思っている同級生の茶沢さんという女の子がいるということ。

この点は映画とも共通している点です。


あとは大まかなストーリー以外は結構変更されてますね。大きい変更点としては夜野がおっさんになってるとか、お家無い人達が勝手に住んでるとか、
あとは住田の性格とか茶沢さんの性格とかは変わってますね。


特に住田の性格とか茶沢さんの性格が変わってる所ははっきりでしたね・・・。
あれによって原作のもつドライな感じがまるでなくなってる、と僕は思いました。

映画としても僕は面白くなかったと思います・・・。


僕はこの作品の監督、園子温監督作品は結構好きで、特に奇妙なサーカスとか愛のむきだしは大好きです。
愛のむきだしに至っては今までで一番好きかもしれないレベルで好きです。


でも、ああいう気持ちにさせてくれる作品では無かったです。
「疾走感」とかもうちょっとあるんだろうなと思っていたんだけどなー・・・という感じ。


「震災後だから」「映画として切り離して」「実写化だから変えなければいけない所もある」みたいなこともわかるんです、

わかるんですけど・・・そこまで変えるならわざわざ『ヒミズ』を映画化する必要あったのか?と思いました。


そう思った大きな理由の一つがやっぱりラストですねー。
あれは希望かもしれないけど、あれではっきりと住田というキャラクターではなくなったんじゃないですか。


どれだけ人と「接近」しても彼には払拭できない「孤独」や「絶望」がつきまとってたからああいう最後だったのに・・・。
その「孤独」や「絶望」が怪物として現れてたのに、その怪物もなくなってたしもうすっかり別物ですね。


せめて、ラストだけでも・・・と個人的には思ったりしました。



少なくとも原作の実写化を期待して観に行った人はビックリするとは思います。
あと原作ありのもの全てに通じることだと思いますが、その原作のイメージとかをどれだけ捨てて映画の『ヒミズ』を受け入れられるかどうかで
この映画の評価が分かれることは間違いないと思います。


僕はこの作品、色んな意味で嫌いでした。


100点満点でいうと25・・・点ぐらい。

その25点分は二階堂ふみちゃんの健康的エロスとか窪塚君とか神楽坂恵のおっぱいとか・・・おっぱいとかですね。(二度目)


あ、夜野がおっさんになったのは別に悪く無かったですよ。借金取りの感じとか、個々は良かったんですけどね。

・・・でもやっぱ住田はあんな簡単に人を殴ったりしないだろー・・・しかも女の子だし・・・。


ま、いいや!(笑)とにかく漫画原作の映画化っていうのは難しいもんですネ・・・っていう話ですね。(どんなまとめ方だ)
僕はこの三作だと『ボーイズ・オン・ザ・ラン』が一番好きかなって感じです。
方向は間違っているにしても何かしらの原作愛や情熱があったように思えたんですよね。黒川芽以ちゃん良い感じにモサッとしてて可愛いし。(結局これが理由)


三作とも観る価値が無いとは言わない!(『モテキ』はアイドルセクシー映画てきな扱いで)
この中で興味のある作品があれば、観てみるのも良いんじゃないでしょうか。

次は、楽しい映画を楽しいテンションで感想を書きたいと思います。
ではまた。


http://www.youtube.com/watch?v=1npnMM2-6p8

(予告編だと面白いけどこの映画凄い長いんだよなー。)