『おとなのけんか』
『ヤング≒アダルト』の後に観ました。
ロマン・ポランスキー監督の最新作ということですが、僕はこの監督の作品を初めて観ました。
ですが、純粋に楽しめました。面白かったです。
ウィル公ことウィル・フェレルとの共演が多い=信頼できるボサッとしたおっさん、ジョン・C・ライリー!
『イングロリアス・バスターズ』で、ヤな最高な役だったクリストフ・ヴァルツ!
最近は神経質なイメージしか無い・・・というか『タイタニック』の頃のイメージなどもはやないケイト・ウィンスレット!
ええー老けた!ホントに本人??倍賞千恵子さんじゃない!?しわが・・・ジョディ・フォスター!
この4人が出てるだけでもう面白そうですよ。というかおっかないですよ。
唯一ジョディ・フォスターだけは作品をあまり観たことなくて、よく出ていたと思われる時期も知らなかったのですが、(観たのは『羊たちの沈黙』ぐらいかな・・・)
他の三人は割と印象が強くて「ああこの人が出るのか」というぐらいにはわかりました。
(クリストフ・ヴァルツやケイト・ウィンスレットも『イングロリアス・バスターズ』、『レボリューショナリーロード』ぐらいしか観てないですが、その時の印象が物凄かったので)
まぁジョン・C・ライリーはジョン・C・ライリーのままでしたが、極端にコメディ臭プンプンって感じでもなかったので安心しました。
この作品も、『ヤング≒アダルト』と同じく普通のコメディ映画と少し違って、
「・・・?え?あ、これは・・・笑って良いのか?」みたいなコメディとしてはギリギリ成り立つか成り立たないかという感じの映画でした。
それは意図した作りだと思っていて、何故かというと笑いにすることでやっぱ安易に安心すると思うんですよ。
安心させるための笑いは簡単で、おどけた演技をさせておけば笑いが起きる、
仮に笑いは起きなくとも「こういう映画ですよ安心して観て下さいネ」というアピールにはなるわけです。
でもこの作品はそんな安牌を切るようなことをしてなくて、「大丈夫?この映画大丈夫?凄い不穏な空気漂ってるよ?」っていう
どこに向かってるかわからない感じを出しつつ不意におかしなことを放り込んでくる上手さというか恐ろしさというか。
「映画とかよく観てるし大体どんな映画かわかっちゃうもんね」みたいな部分が少しでも僕の中にあったと思うんですが、
完全にやられましたねー。コメディじゃない映画でシリアスな場面なんだけど意味を取り間違って笑っちゃう人とかたまにいるんですが、
それが怖くて「ホントにここ笑って良いの・・・?」とか恐る恐る笑っていたのですが、そこ含め計算づくだということが徐々にわかってきました。
そしてその感覚が今までにないものだったので凄く新鮮で楽しいというか気持ち良いというか。
シリアスコメディという位置づけで正しいのかもわかりませんが、こういう笑いのアプローチの仕方って一歩間違えば目も当てられないことになるし、凄い上手いなーと思いました。
映画館で観た時に、割と大人の方が多かったんですが、歳を重ねられている方ほど遠慮なく笑っていらっしゃって、
ビクビクしていた自分はまだまだなんだなーと思いました(笑)。
家族みんなで頭を空っぽにして観るみたいな映画では無いですが、(ブラックジョークとか頭使う冗談もありますしね)
確実にレベルの高い良く出来た作品だと僕は思いました。
<補足>
・ケイト・ウィンスレットの顔ってどっかで見たことあるような顔してるよね。
・そして最近ケイト・ウィンスレットは特にエロい!(個人の感想です)
・ナイスゲロ!
・この映画のジョディ・フォスターみたいな人ほんとにいそうだけど、出来るだけ関わりたくないなー・・・怖い。
・ジョン・C・ライリーってどんな俳優?って思った人は『タラテガ・ナイト オーバルの狼』か『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』をご覧ください。
・最近ロマン・ポランスキー監督の『ゴーストライター』も観たけど個人的には『おとなのけんか』の方が好き。
・クリストフ・ヴァルツの豚っ鼻。
実はこの後『ヒューゴ』も観たんですが、感想はまた今度にします。(しんどいので)