『アメイジング・スパイダーマン』

んんんんんんこれいつの映画やったかしらあああああ(逃避)
本日9月8日です。



もはや単なるアメコミヒーローの枠を越えた知名度と人気のスパイダーマンですが、
今回は監督がサム・ライミではなく、『(500)日のサマー』のマーク・ウェブが監督を担当し、
設定等も一新、つまり最近多いリブートという形で製作されたものです。


俺「スパイダーマンと言えば・・・?」

A「もちろんスパイダーマンを日本でも一般に知らしめたサム・ライミ版、映画『スパイダーマン』!」
B「いやいやこれがなけりゃスパイディはいなかったんだから原作スタン・リー『スパイダーマン』だろ!」
C「ちょwwwそこは東映特撮版の『スパイダーマン』だろwwwダーマッ!www」

俺「ふーん」

ABC「そういうお前はなんなんだよ」


俺「僕ですか・・・?そりゃあもちろん


池上遼一版 漫画『スパイダーマン』ですよ!!


スパイダーマン (1) (MFコミックス)


ABC「(ひょっとしてそれはギャグで言ってるのか!?)

俺「(ギャグじゃねーよ・・・!)


というぐらい僕は池上遼一版『スパイダーマン』が好きなんですよ。
元々池上遼一さんが好きだっていうのが大きいんですが、
結構池上遼一さんの持つ人間のダークサイドを映す世界観と『スパイダーマン』の持つ暗さが合っていると思うんです。

というか単純に池上版の『スパイダーマン』の世界観が好き(中盤からは人を救ったり救わなかったり、登場すらまともにしなかったり)なんですね。

ああいう「現実にヒーローがいたらコウナッチャウヨ・・・!(悲観)」みたいなヒーローに対して言っちゃえばイジワルで
現実的な(もしくはもっと厳しい)見方の作品が好きなんです。

まぁこれを言いだすとややこしいのですが、ヒーローものというのは「ルール」というか「嘘」があるわけで、
それを上手く受け手に納得させるバランスの作品が評価されると思うのです。
またヒーローものといえば本来子供向けの作品ですが、最近は大人も対象にした作品が増えているので
現実世界と作品内世界を比較した場合の整合性みたいなものを取れているかという点が評価されるポイントの一つだと思います。


そこらへんの塩梅(現実世界に即した方が良い!やヒーローものなんだからそこまでリアリティを追求しなくても良いんじゃないの?等)は
個人個人で違うわけで、その個人の持つ感覚によって結構大きく評価が分かれたりします。(特に映画はネ)


だのでサム・ライミ版の『スパイダーマン』は僕にはちょっとしっくりこなかったというか、
主人公のトビー・マグワイアを見てて「お前はそれでいいのか・・・!」と少し拳を握り締めたりもしました。(善人として描き過ぎなんじゃないか、と)

なんて言ってますがサム・ライミ版を観たのは今回の『アメイジングスパイダーマン』を観た後でしてね。へへ。


で、じゃあ今回の『アメイジングスパイダーマン』はどうなのかと言うと、(ようやく感想)


僕は好きです!!!


何が良いってねぇやっぱり暗さですよ。
暗さと言うのは作品の世界観がどんよりしてるっていうより、主人公の性格が内向的!!
今回の主人公はイケメンですがナヨっとしててこのナヨっ感がトビー・マグワイアにはない良さですよ!
しかもアメリカじゃあどんだけイケメンでもタフガイさを見せつけられなかったりちょっとでもチキンなことをしてしまったら
Nerd!」とか「creep...」とか言われるんでしょう?なので今回みたいなああいう状況は僕は大いにあり得ると思いますヨ。
宙ぶらりん感も良かったですね。イジメる方とイジメられる方のどっちでもない感じ。
「パンがなければ作れば良いじゃない!!」というDIY精神もワクワクして良かったです。(池上版も自作でウェブシューター作ってましたヨ。)


あとヒロインが可愛い!これは大いに評価できるポイントでしょう!!
僕からすれば先に観た『メランコリア』の印象深いダンスト姉さんはほっといても指先からビュワーって電波出して勝てそうですもん。頬骨ふっくらしてるし。(関係ない)

ついでに言うとMJ(サム・ライミ版に登場したダンスト姉さん演じるヒロイン)はキャラ的にも僕の心は掴んでくれませんでした。
だってマッチョと恋して卒業後はファミレスで不満持ちつつ働いて・・・ってあんたそれアバズ・・・ズベk・・・『ヤング≒アダルト』やないかい!
対して今回のハスキー声の天使ことエマ・ストーン演じるグウェンは超中流階級のお嬢様!うん!丁度良い!!
「髪の毛茶色じゃないとエマ・ストーンじゃないやい!」って雨の中走りだした日もありましたが、金髪も十分天使!!新鮮で良し!!


ほんで敵なんですが、今回は虫コナーズ博士という片腕の無いおじさんが片腕を再生しようと投薬したヤバい薬のせいで変身してしまった大トカゲ人間(リザード)と戦うんです。
(池上版『スパイダーマン』ではジャングルの奥地でサバイヴしてるうちにゾアントロピー(獣人現象)が起こってトカゲになっちゃった犬丸博士がリザードです。)

ここの塩梅も良いんじゃないですか。
本人は自分の両腕で物を掴みたい・・・しかし完成していない薬ということや、倫理観がそれを思いとどまらせている、が、
自分の所属してる機関の上の謎のパトロンの圧力によって自分に打っちゃうんですね。
サム・ライミ版のグリゴブさんも可哀想な境遇でしたが、今回は深いコンプレックスや博士の人の良さみたいなものも絡まってて感情移入しやすかったです。
まぁ一つ残念だったのは変身してからの見栄えがどうもしっくりこなかったですね。CG感というか。
あと変身してからスパイダーマンと戦うまでちょっと長かったような気もします。


あとはアクションそのものもスピーディで良かったですが、力を手に入れて調子乗っちゃう所も良かったですねー。乱れ打ちしちゃう所とか。
グウェンのお父さんとの対立と和解の流れもグッときました。
スパイダーマンとしての道を歩むことを決めるきっかけになったベンおじさんの話も良かったと思います。


という感じで良い所を挙げるとかなり出て来ますし、これと言った欠点は無いと思いました。


しかし・・・何かが足りない気がするんですね〜。多分今回のリブート版がイマイチと感じた人はこの「何か」を求めていたんじゃないでしょうか。
今回、もうひと癖あれば結構本作を推す人も多かったんじゃないかなーと思ったりしてるんですが。

個人的には最初だから仕方ないのかもしれませんが、少し長かったような気がします。
というかもう少し脚本を工夫すれば2時間でも短く感じた様な気がしますね。


でもとにかく及第点以上のものでしたし、僕は好きですよ。


〜補足等〜
・『アメイジングスパイダーマン』とサム・ライミスパイダーマン』を間を空けずに観たもんで若干「あれ?どっちがどっちだっけ」と記憶の混線が・・・。
エマ・ストーンって現実だとめちゃくちゃ怖そう。
・現実でも付き合ってるってどういうことだよアンドリュー。(三白眼)
・謎のパトロンはホントに謎というかリアリティーなくて、そこだけ浮いてたよ。
・今回グッズ展開が下手過ぎる。(スナック菓子やウェブシューター型時計など・・・)