『アウトロー』


(アドラカーー!! ※多分車を降りろ的なアレ)


上の予告を映画館で観た時は「ヒャッフーゥ!またトム最強の映画が観れるぞーーーー!!!」と思ってたのですが、観始めてみると
「う・・・うん、思ってたのと違うネ・・・。」となって観終わった後は
「思ってたのと違ったけど、なんだろう嫌いになれない・・・!むしろ続編が早く観たいよ!トム!!」という風になっていました。

こういう風にしなきゃ客が来ないっていうのはわかりますが、明らかに予告は「MIシリーズ」みたいなものを期待してしまうように作られてますよね。
それで怒ってる人もいるとか、いないとか。

結果的に面白かったから良かったですけど、変な詐欺みたいでなんかヤですね。
それならいっそ「実は本編にトム・クルーズは出てませんでしたー!!」ぐらいやれって!!(謎の怒り)



話は逸れましたが、この映画の不思議な魅力について考えていたんですが、僕は「綱渡り感」だと思うんですよね。
前述した「MIシリーズ」みたいなのっていうのはピンチに陥ったとて、武器だったり最新機器みたいなのが使えるじゃないですか。
それになにより「CIA」とか「MI6」とかの後ろ盾があるんですよね。
そんな武器や後ろ盾は今回無い。では何があるか。

それはジャック・リーチャーの自信のみ!!

その裏側にはお金や地位や身分ではない、ジャックの基礎となる確固たる「地力」があるからだと思うんですが、
それだけでも十分「綱渡り感」があるんですけど更に拍車をかけるのが、

たまに暴走する武骨さ!!

命綱無しで綱渡りしているのに、こともあろうかジャックはたまに綱の上をダッシュしちゃうんですねー。
特に象徴的なのはある非道な行為をした敵に「舐めてしくさる!!」とブチ切れて、犯罪組織の車を追うカーチェイスシーンですよね。
それまでの緻密な下調べとか証拠集めをドシャーン!!って台無しにしかねない暴走に観客はあわわする他ないというくらいの荒々しさ。

しかも何が良いって感情に任せた暴走なので、案の定収拾付かなくなって黒人のおじさん(一般市民)に助けて貰ってニコニコするという
なんかもうよくわかんないけどダメさ含めてイイネ!と親指を立てずにはいられないですよ。


あとは後ろから普通に殴られて気絶したり、大した根拠もないのにズケズケと車用品店みたいな所の事務所に入って挙げ句の果てに説教までする所とかも良かったです。(自分勝手!)


映画全体的にも渋さがあって、甘すぎないしわかりやすいギャグとか説明もなくて味わい深いと思いました。
最後まで自分勝手に去って行きましたけど、こういうバランスの映画は新鮮だったので是非続編も観たいです。


〜補足など〜
・カーチェイスシーンでBGMが無いのも良かった。
・「おいそれと他人を撃てるか!あとお前の武器ナイフな!」という射撃場のジジイ(ロバート・デュヴァル)も最高!
・最近のわかりやすいアクション映画に比べて、『アウトロー』はわざとモヤモヤが残るように作ってると思うなー。
・『アウトロー』って邦題は「無法者」ってより「流れ者」って意味で付けたのね。
・射撃場のジジイの「片目は閉じて視力を蓄えておくんじゃ!」というセリフを聞いてベア・グリルスも夜のサバンナを歩く時に外敵から身を守る術として同じこと言ってたな〜ということを思い出した。
・アクションはキーシ・ファイティング・メソッドを取り入れているらしい。シラットやらシステマやら色んな概念があるんスね!
・全然関係ないけど最近DVDで観た『ナイト&デイ』も面白かった。もう俺全部観るわー。トムが出る映画は全部劇場で観るわー。