『死霊のはらわた』〜まえがき〜


今回は感想書く前の前置きと言うか説明が長くなるので分けますが、手っ取り早く感想が読みたい方は飛ばしちゃって下さい!



観てきましたよ〜。
いやぁー言い訳させて下さいよー。(誰に頼んでんだ)
この日に観た映画は感想書くのが色々ややこしくってどう書こうか迷ってたんですよね。
で、なんでだよって話なんですけど一番大きかったのはこの作品がリメイクだからなんです。

「感想なんだから自分の感じた様に言いたいこと言えばいいじゃねーかよ!」って思われるかもしれないんですけど、
自分の感じたことが一人よがり過ぎないかということを考えるんですね。(僕の場合ですが)

周りの感想を鵜呑みにするわけではないんですけど、「いやぁーこれは最高だな!これはみんな大満足だろ!!」って思ってても
他の人の感想を読んだら「最悪だね。」っていう意見がほとんどだったりしたら「E?(冷や汗)」って思います。
だからって流されはしませんけどなんで周りと感想が違うかーなんてことを考えるんですよ。
今回なんかはそうしているうちにどんどん多方面から感想が出てきて、それと自分の感想がズレていったので書く手が進まなかったっていうのもありまして・・・。


ここまでのこと、映画を観てない人やネットの感想を読んでない人からすると「なんのこっちゃ┐(゚ε゚)┌ 」って感じだと思うんですが、
はっきりいってこのリメイク版『死霊のはらわた』は、(特にオリジナル版のファンから)不評なんですよね。
もう書いちゃいますけど僕は期待してなかったというのもあって結構楽しめたんですよ。面白かったです。
なのでさっきの稲川淳二風に言うと「あれーなんでかなー・・・おかしいなー・・・俺の感覚ズレてるのかなー・・・コワイナーコワイナー」と思ったわけです。


それで色々考えたんですけど、結局答えは単純なことで、オリジナルへの愛が強い人程今回のリメイクへの拒絶感が強いと思うんですよ。
それは凄く当たり前のことなんですけど、その反応が激しいのはこの作品が凄く「変わっている」からだと思います。
厳密に言うとオリジナル版が「変わっている」。変な映画なんですよ。
どういうことかと言うと、『死霊のはらわた』オリジナル版は『スパイダーマン』で一気に有名監督になったサム・ライミ監督の撮った作品で、
その後『2』、『3』と製作されて、サム・ライミ監督はその後も『ギフト』、『スペル』とホラー映画を監督していて、
『THE JUON/呪怨』、『呪怨 パンデミック』などの製作にも携わっているんです。
一方で先程挙げた『スパイダーマン』シリーズや、最近だと『オズ』なんかも監督している。
スパイダーマン』からサム・ライミを知った僕は、「えっこの監督デビュー、ホラー映画なの」と思った覚えがあり、
その考えが逆転した最近も「えっ!?サム・ライミが『オズ』!?」とびっくりした覚えがあります。

前に監督自身が「ホラー映画は別に好きじゃない」とした上で「ホラー映画は予算が少なくても製作できるから作ってるんだよ」ということを言ったというのを聞いて
その時はびっくりしたんですが、その発言を踏まえて『死霊のはらわた』を観ると腑に落ちたんです。


僕は割と最近(『キャビン』の元ネタを探るために)オリジナル版の『死霊のはらわた』を観たんですが、正直「変なの!」と思いました。(笑)
だって完全に取り憑かれてるってわかってるのに同じ部屋にいてその取り憑かれている方も床下の扉をちょっと開いてジーーーーっとみつめてるってどういう状況だよ!
と思ったり、突然白目向いてギャー!!みたいな怖いし気持ち悪いんだけどちょっと可笑しいというか堂々と来る不気味さみたいなものが普通のホラーとはちょっと違うなと思いました。
あとホラー映画の敵(化け物)なのにめちゃくちゃ喋るしなんなんだ!と思いながら観てました。(笑)

もちろん当時観た方は新鮮で純粋に怖かったでしょうし、それを否定するわけではありません。
ただ他のホラー映画に出てくる霊的なものとかシリアルキラーに比べると「お前怖ぇよ!」っていう感じより「お前ムカつくわー」という印象を持ったんです。
そういう意味で変わってるなと思ったんですが、そのオリジナル版のファンの方はその変わっている部分も愛してらっしゃるので
身も蓋もない言い方をすると今回みたいな「スマートに作り直しましたよ」みたいなのは受け入れられないでしょうね。
「こんなの俺らの観たい『死霊のはらわた』じゃねー!!」となるのも理解できます。

ただでさえ愛の強いファンが多いのに、サム・ライミ監督も「俺も太鼓判押しちゃうね」みたいなことを公開前に言っちゃったもんですから、ハードルも上がってましたし。

おそらく「ホラー映画は別に好きじゃない」というのは本当で、
元々ホラー映画に対する愛が強く、ホラー映画を撮りたかったんだよ!っていうわけじゃないサム・ライミ監督は、
「俺のよりホラー映画っぽく撮れてるジャン!」って思って言ったんでしょうけど。(勝手な推測)

※ちなみにサム・ライミ監督のしたとされる発言のことや、『スペル』も実はサム・ライミ監督の昔の嫌な思い出を元に作られているという話は、
町山さんの映画特電「第83回 サム・ライミひさびさのホラー映画『ドラッグ・ミー・トゥ・ヘル』私を地獄に連れてって」にて聴けます!

※※サム・ライミ監督がホラー映画好きじゃないとか、愛が無いということではなく、これも私見ですがそればっかり撮りたいわけじゃないけど
イデアはある(←才能)し、たまに凄い撮りたくなるけど「ホラー畑に首まで浸かっている」ようなホラー映画ファンじゃないという意味だと勝手に思っております。気分を害されたファンの方がいたらすみません。



・・・という言い訳のような、ながーーーーーーーーーい前振りをした後、いつも通りのバカな感想を書きたいと思いまーす!