『アジョシ』

最初は映画のタダ券を譲っていただいたので、『アザーガイズ』を観ようと思ってたら『アジョシ』もやってて評判も良いとの事だったので観てきました。

上映時間帯的に『アジョシ』の方が先に観る事になったのでこちらの感想を先に書きます。(『ピラニア3D』とは別日)


ウォン・ビンが超強い変態ロリおじさん」と聞いて興味本位で観たのですが、詳しくは後ほど書きますが予想以上に強かったですね。


オープニングから韓国映画はホントに凄いなと思った事があって、それは画面上に映っている物の情報量もさることながらそれが同時に観客を惑わせる要素にもなっているという事です。

どういうことかと言う事を少し説明したいと思います。

「車に数人の男が乗っている様子が映し出されて、誰かを狙っている。男たちはチームで構成されていて決して身なりが良い方では無い。」

これがこの映画のオープニングなんですが、これだけの情報がほんの数十秒で伝わってきて、「金で雇われたゴロツキ」「チンピラ集団」「殺し屋」、
素性はわからないがとにかく良い奴らでは無いというイメージを抱かせる。
そして同時に狙われている側もなんらかの犯罪行為の取引を行っているような不穏な空気で映される。そして二つが出会って、戦闘になり一悶着あった後に
狙っていた側が「さっさと聴取を済ませようぜ(セリフは曖昧です)」と言い狙われていた側の男を捕獲し引き上げる・・・

お前ら警察やったんかい!っていう・・・(笑)。

わかりにくい説明で申し訳ないですが、つまり狙っていたのは刑事のグループで、狙われていたのは容疑をかけられていたチンピラだったという事なんですが、
刑事グループが『息もできない』のサンフンがやっていた「取り立て屋(壊し屋)」を思わせて、僕はまんまと騙されましたね。

僕の受け取り方がおかしいだけかと思いましたが、後半に出てくるチンピラ兄弟の手下と大して差がなかったので意図して惑わそうとしているものだと思われます。
『チェイサー』等に登場する刑事像からも想像してしまうのは韓国の刑事ってこういう感じなのかなーっていう事ですね。(流石にあそこまで雑ではないとは思いますが)

オープニング以外でもこういう細かい技が結構使われてて、やっぱり凄いなぁと感心しました。


映画全体の感想としては
「やや複雑なストーリーであり、情報量が多い割にテンポが早く、一度観ただけではわからない部分もあるが、
それを補う程の映画としての魅力があって非常に満足出来る作品であった。」という感じでしょうか。

まず、「アジョシ」ことウォン・ビンのアクションの素晴らしさは(魅せ方が良いという事もありますが)息を飲むものがありました。
僕の解釈では、この作品のアクションが素晴らしいのは「容赦の無さ」だと思います。
「無駄の無いアクションシーン」というのは「見にくいアクションシーン」になりがちであるし、通常そこは避けたい所だと思います。
しかし、チャ・テシクという役柄だからこそ、むしろ「無駄の無いアクションシーン」でないと不自然なのではないかと感じるし、
そういうアクションシーンにしたのは正解だと僕は感じました。

あと、キャラではマンソク兄弟と殺し屋のラムは最高でしたね。
特にラム(タイ人の殺し屋)はアジョシ並に魅力のあるキャラでした。
どのシーンとは言いませんがラムがアジョシ(テシク)に完全に見惚れる瞬間がありましたね(笑)。
(勝手に「あれは男惚れしたんだ」と思ってますが)あれはライバルと認識した瞬間ではないでしょうか。

いくら書いても書ききれないのでここらへんでやめておきますが、とにかく凄い映画でした。


ウォン・ビンは本当に色んな顔が出来る俳優ですね。前半と後半でも顔つきが変わってたり、
もっと言えば『母なる証明』のあいつと同じ人とは思えない!!


『アジョシ』もう一度観たいなぁ。


公式
http://ajussi2011.jp/pc/