『愛のむきだし』

はいきました!僕はこの作品が劇場で観れるという事でこの「園子温ナイト」の前売り券を買ったと言っても過言ではありません!(笑)


最初は「ウィークエンドシャッフル」というラジオ番組の映画評論コーナーでこの映画を知ったのがきっかけで、
DVDをレンタルして観てやはり「なんじゃこりゃああああ!」となったのを覚えています。

まさかこの作品が劇場で観れるのか!と思って超張りきって前売り券買いに行きました。整理番号6番でした。

しかし、いくら傑作と言っても正直4時間は一瞬では無かったです。上映の順番的にも最後で、かなり体力消耗していました。

それでもやっぱ物凄い魅力を持った作品だなぁと再確認しました。

西島君とひかりちゃんの見事なアクションシーンからのタイトルドーン!!はアガりましたね。


4時間という時間の余裕があるせいか作品内の緊張感や切迫感も『冷たい熱帯魚』や『Strange Circus 奇妙なサーカス』ほどではなく、
それが逆に「耐えられない地続きの連鎖する日常」感を出していて僕は良かったと思います。

要は奇跡なんてめったに起こらないし、一発逆転なんて日常では普通ありえない事なんだという事が表されてるんじゃないかと。
(間延びしていたり、要らないシーンがあるというわけではないです)

あと今回観ていて気付いたことは本編では「コイケ」という人物が新興宗教を使って家庭をぐちゃぐちゃにしていましたが、
この「コイケ」という人物自体が宗教の悪面を具現化したようなものではないかという事。
もちろん洗脳するには人による話術などが重要なのですが、時として「コイケ」は「本」だったり「映像」だったりするのではないかと。
要はそういう精神が周りに伝播して影響を与えると言う事は十分あり得るんじゃないかなと思ったりしました。

それは新興宗教だけじゃなくて宗教もそうで、要はきちんと理解して分別つけてやらないとどっちにしろ危険な事には変わりないなと感じました。

なので他人事ではない危機感を抱かざるを得ませんした。
ヨーコが言う所の「見えない弾」にいつ当たるかわからない恐怖ですね。


話を戻しますが、あとなんといってもラストで遂にユウとヨーコの心のコミュニケーションが取れるシーンは、
思いがけず泣いてしまいました(笑)
やっぱり困難の末に思いが通じるっていうのにはやられますね。

しかも4時間かけてようやくっていうのもありカタルシスを凄く感じました。その感じはDVDで観た時よりも増してましたね。


二人が行き違いしているのを見ていて少なからず「不憫」という感情はあるけど、同時に自分の日常の中にも少なからず起こる
対人関係での齟齬や不本意な軋轢などと照らし合わせて余計に涙が止まりませんでした。


人と関係を取る方法は色々あるけど、少なくともすぐに諦めるのではなく思いは伝え続けるべきだなと強く感じました。


とにかく迫力ある劇場で観れて良かったです!