映画 けいおん!

お久し振りでございます。


話題にもなっていたし、シネマハスラーというコーナーに投稿するためという事もあり、

映画 けいおん!を観てきました。


ネタバレあるので、気をつけてください。(一応念のため)


実はテレビシリーズはなんとなく観たか観てない程度です。
そんな感じのやつが観た感想だという事を最初にご理解下さい。

ただ、キャラクターの名前、性格、関係性などはだいたい把握はしてます。



さて、感想なんですが、結果から書くと僕は退屈でした。

長かったですね。120分超えの作品なので長く感じたのかと思いましたが、
恐らくこれが90分の作品でも同じく長く感じたと思います。


恐ろしく気の配られた演出であるとは感じました。
例えば話してるキャラクター以外のキャラクターも何かしている、所ではなく
それが同時多発的に、しかも小ネタのようなものを仕掛けながら同じ画面内で行われている、
といったようなことです。


わかりにくい文ですね。すいません。

仮に紬ちゃんが喋ってるとすると、会話に直接参加していない唯ちゃんは何か別の事をしていて、
しかもそれがおどけた感じの事であったり、ドジっていたりみたいな事なんですが。

要は「むぎちゃんが喋ってるのに唯また何かやってるよーw」というのを思わせるためと言うんでしょうか。

そういうのが結構頻繁に行われていたと思います。

そのような事は作る側からするとかなりの労力が使われる事でしょうし、
相当な力と時間が割かれている事と思われます。


ですが、僕が観ていて思った事は「落ち着かない画面だなぁ」と言うものでした。
まぁ、これは僕が『けいおん!』というアニメを見馴れていないせいだと思い、
引き続き観ていました。

すると、この映画物凄くテンポが速い。さっきのようなシーンが矢継ぎ早に出てくる。
凄く混乱する。情報量が多くて、どの情報を受け取ればいいのかわからなくなる。
その上メインストーリーとサブストーリーが混在して同時進行するので、もう、
どれが本筋でこの映画が最終的にどういう事を伝えたいのかがわからなくなりました。

途中で完全に思考停止しましたが、それでもなんとか付いていけた、と思います…。

多分「そういうもんじゃん?」って言われるとそうなのかも知れません。

しかし、そういう事以外にも突っ込みどころというか、おかしい所はあって、
恐らくメインストーリーであろう、軽音部の三年生組の卒業と下級生の梓ちゃんへの
三年生組の曲のプレゼントが、
あまりにあっさりし過ぎじゃないかなーと思いました。

先述したように、小ネタやギャグは山程入ってるのに、
そういういわゆるエモーショナルなシーンは申し訳程度なんですよね。

だいたい卒業って結構なイベントだし、そこはあっさりというか
「大学決まってるから」みたいな事で話終わっちゃうんですよね。
残された梓ちゃんの孤独がどうとかっていう風になるのかと思ったんですが、
特になかったですね。
もしかしたらそこはテレビシリーズで語り尽くされたのかもしれない。
でも、せめて曲のプレゼントの件はもうちょっと広げても良さそうなもんだと思いました。

曲をプレゼントするという事自体は何度も登場するのですが、
「どうしようどうしよう」みたいな繰り返しと、よくわからない小ボケみたいな
ノートへの書き出し程度なんです。

あー、これ未完成のまま終わるのかなと思っていたら、
最後の方で突如「いつも通りでいいんだ」ってひらめいて
そっからあっさり曲が完成しちゃうんですよね。
で、いざ本人に歌うんですがいきなり完成しちゃっててなんだかなー感が凄くありました。

むしろひらめいてからの歌詞作成場面をもっと見せてくれないと、
感情移入しづらいし、乗れないです。
一番の魅せ所なんじゃないかなぁと思ったんですけどね。

そういう風に、「起伏がない」とは言いませんが「小さな起伏がいくつもある」という
作りになっていたのかも知れませんが、僕ははっきり言って映画向きではないと感じました。

OVAなら恐ろしく品質の高い物になったのにとも思いましたが、
そもそもこういった「日常系」と呼ばれるものと映画というコンテンツの
食い合わせの悪さがあるのかと思ったりもしました。

そう考えると『釣りバカ』とか『寅さん』といったシリーズが
どれだけ凄かったのか再確認しますね。

ジャンルムービーというものがありますが、じゃあ「萌え」られればいいのか
っていう問いに最後まで答えが出せないまま終わってしまいました。


非常にモヤモヤした感情が残りましたが、映画体験的には非常に稀有な物でした。


全然関係ないのですが、1つだけ言いたいことは、
エンドロールの無音が長すぎ!!wwww

他の映画でも、いわゆるエンディングテーマの後にしばらくして
場繋ぎとしてなんらかのBGMが流れますが、その曲と曲の間が長すぎて
得も言われぬ気まずさが劇場内を包みましたよ。ww

これはパラノーマルアクティビティのエンドロール後の謎の「間」にも匹敵するものでした…。


なんなんでしょうか…。何らかの仕打ちでしょうか。
あとエンディングのタイミングが唐突過ぎて一人でのけぞってました。

あと、これは戯言程度に流していただきたいのですが、
主人公の方が「ふわふわ」という程度を通り越した「四歳児レベル」の行動に
心をやられましたが、最後の最後、エンディング間際のシーンで、
足だけが映り、軽音部が話しながら歩いていくと言うところで、
約一名後ろ向きに横断歩道を歩いているのを観て、「あ、轢かれるんだ」と
本気で思ってしまいました。「そういう映画か!」と逆に納得。

「甘やかされてふわふわしてたらこうなるぞ!!」という
ヴィジランテ映画にも似たメッセージかと思ったのですが、まぁ、轢かれませんでした。

まぁ、そうですよね。はい。


長くなりましたがとにかく、ファンの人は楽しめると思います。

ファンの人はね。