『ドーバーばばぁ』


観てから一カ月ぐらい空いてしまいました・・・。(これ書いてるの3月7日です)


2月17日に京都みなみ会館という所で観てきました。

最終日だったようですが、上映ちょっと前まで観客は僕一人で少し焦りました(笑)。
あと、10時からの回しかなかったので、久々に早起きしたのが辛かったです・・・。

では本題に入ります。


ドーバーばばぁ』。おそらくご存知の方は少ないかと思われます。
しかしこの「タイトルを見ただけでどんな映画かわかる感」、どうですか。


僕はタイトルを見た時「もしかしたらばばぁがドーバー海峡を横断するのかな?」と思いました。
しかし映画というものはそんなタイトルから予想出来る様なものばかりではありません。


酔拳3』にジャッキー・チェンは出ません。
13日の金曜日』にジェイソンは出ません。

しかし『ドーバーばばぁ』はそのまんまの映画でした!!

しかも「艶女」や「美魔女」といった言葉が氾濫する中、敢えて「ばばぁ」というタイトルにする心意気やよしじゃないですか。


劇中では「チーム織姫」としか呼ばれない所からもわかるように、わざとこういうタイトルにした監督は英断だったと思います。
(「おばさま」や「おばさん」のようなひよったタイトルにしなかったのも良い!)


これはただ単に半笑いで馬鹿にしてるのではなく、作品に出てくる「チーム織姫」のメンバーの方々の
年齢や環境からいってもラストチャンスということもあり、面目やなりふりかまってなれないという本気さを表している良いタイトルだと思うからです。

どれくらい本気(マジ)かと言うと・・・

・メンバーのほぼ全員が体のどこかに爆弾を抱えていたり、過去の怪我から脚にチタンが埋め込まれているメンバーもいる・・・。
・しかもドーバー海峡横断への練習中にも不慮の事故が起こったり、それによって脱落するメンバーもいる・・・。
ドーバー海峡は水温が低いために練習は海より水温の低い川で行われるが、水温の低さに川での練習の後、毎回誰かが足をつって出てくる・・・。


比喩じゃなくて命かけてる!!

しかも、「チーム織姫」はちょっとした軍のような厳しさがあり、特にリーダーの大河内さんはズバズバと思ったことをメンバーに指摘する所からもどれだけシビアか伺えます。

途中でメンバーの小磯(?)さんと言う方が持病の手術をメンバーに相談せず行ったことで開かれる軍法会議
「サークル」や「集まり」のような生易しいものではなく、「しょうがないわよねぇ」的な雰囲気一切無し!

責められる小磯さん。見守るメンバー。勝手な行動を指摘する大河内さん。なんとも言えない表情になる観客。
(その後、メンバーに続けることを許された小磯さんでしたが、怪我であっさりフェードアウトされました・・・。)


なぜそこまでシビアなのかというと、メンバーはそれぞれの家庭があり、親の介護や仕事を簡単には休めない状況にあり、
それに加え、34kmという長距離の遠泳は一歩間違えればメンバーの命に関わるということもあるからなのです。
そして、自分達の夢を叶えるラストチャンスだということもあり、AKBの映画とはまた違ったエクストリームさがありました。



内容の紹介ばかりしてしまいましたが、じゃあ映画的にどうかと言いますと、
ドキュメンタリー映画としても結構面白かったと思いました。

まずはまぁ素材が抜群に良いというか、観たことない映像が観れるという点だけでも相当点数高いんじゃないでしょうか。
そして、本編は字幕やナレーションが入るのですが、メンバーの数や、情報の多さからいってもそれは妥当だと思います。
残念だった所は、前半テンポ良くメンバー紹介やドーバー海峡を横断にチャレンジするに至った経緯を紹介しているのに
後半は少しダレていたというか、はっきり言って現地に着いてからのシークエンスがちょっと長かったですね・・・。
あと、本番のドーバー海峡横断の時の盛り上がりがなかったというか、一番の見せ場なのに長かったというイメージだけで、
平坦な場面になってしまっていた所は少し残念でした
ね。
そして、本番の泳いでる所はかなり時間取って映してるのに、チャレンジが終わった後の映像がほぼ皆無っていうのも残念でした。

日本での練習風景では毎回と言って良い程「反省会」と称した居酒屋での食事シーンがあっただけに、
『エクスペンダブルズ』並みか、それ以上の「大打ち上げ会」やメンバーの家族の反応は観たかったですね。
チャレンジ終わってからは本当にすぐに映画が終わっちゃったのは一番残念だったかも知れません。

あと、これは製作費的に仕方ないことなのかもしれませんが、後半は映画のサイズになっていたと思うのですが、前半の方は
テレビサイズというか、映画のスクリーンなのに、両端に黒い帯が出ていたのが残念でした。

作品の内容や構成は凄く映画的で、燃える所もあったのでテレビのドキュメンタリー番組でやるより映画にしたという意義は
確実にあった作品だとは思いますが、せっかく大きなスクリーンで観れるのに・・・という気持ちはありました。


しかし、この作品を観なければ観れない貴重な映像であったのは間違いないです。

残念ながら現在はほとんど上映・上映予定はないようですが、
興味持たれた方は公式サイトにてDVD販売がなされているようなので、そちらで購入されて観てみるのが良いと思います。


ドーバーばばぁ』公式サイト
http://www.dbb.fushigina.asia/index.html
(横浜周辺の方は4月に上映があるみたいなので、興味本位でも是非行ってみて下さい。)

というわけで今回は、

ばばぁの魂、とくと見たぜ!!

って感じの感想でした。


(補足など)
・小磯さんのフェードアウトっぷりは笑った。「軍法会議」シーンのすぐ後のシーンのナレーションで
「手を骨折されてメンバーから外れました」的なのが入ってそれ以降一切登場しないという・・・w
(しかも公式サイトにも名前が載ってない!)
・小川コーチ(男性)の空気っぷりというか、メンバーにたじたじになってる姿は哀愁すらあった。
・終盤の野田さんが風邪ひいちゃうシーンのギスギス感は何とも言えない感じが・・・。
・笑いながら「脚にチタンが入ってるんですよー」って・・・。
・「反省会」のためにやってるんじゃないかと思うくらい毎回居酒屋行ってて笑った。

・実はまだ書いてない感想が山ほどあって困ってる。(俺の都合)