『黄金を抱いて翔べ』



(主題歌が的外れでもエエんやで・・・)


感想の前に少し最初に余談を書きたいと思います。
この作品は内容的に凄い期待してたんですけど、どれくらい期待してたかって言うと
井筒監督の今回の作品を撮る際に参考にして、そしてオススメしてた『ゲッタウェイ』『突破口』を予習した上で観に行きました。
あとみなさんには黙ってましたけど、僕実はラジオマンなので・・・あラジオマンって言っても聴く方ですよ?
更に言うとFM聴いてますオシャレですアピールじゃなくてAMの方ですからね。

えーとそれで井筒監督が出演されたタマフルもそうなんですが、
ニッポン放送で『黄金を抱いて翔べ』のメインキャストが出られたラジオの特別番組も聴きましたし(YouTubeにもアップされてるみたいですが)、

大体フラッと映画を観に行く僕にしてはかなり情報を仕入れて行きました。
(・・・まぁ後者のラジオはほとんど情報ありませんでしたが、タダノブこと浅野忠信さんの貴重なラジオ出演を聞くことが出来ました。)



さて、では本題ですが上に書いたことも影響してか凄く楽しめました。
銀行強盗だとか、金塊強奪みたいな映画、最近ないじゃないですか。
もうこの時点で僕の中では歓迎ムードあるんですが、単にそういうジャンルですよっていうだけじゃなくて
徹底して観客が「観たい」こういうジャンルの映画のシーンが入ってることや、『ヒーローショー』の様なアクの強さもあり、
連続して何回も観ようと思うような作品ではありませんが、定期的にこの映画の世界に入りたくなるようなそんな作品だと思いました。


大体今の文で言いたい感想はまとまってるので、ここからは書きたいこと書きます。

・モモ
このキャラクターにまつわる全てが「これ(映画化したら)あかんやつや!」って感じなんですが・・・よくこの役チャンミンも引き受けたな!
いやもちろん普通の映画でこんなキャラも設定も思い付きでは登場させられないでしょうし、僕としては凄く嬉しいんですが、
観てて凄いヒヤヒヤだよ!!
好き嫌いとか面白く感じるかは別にしてこんな挑戦的な映画もなかなかないと思いますよ!

・タダノブ
タダノブ役で出演されていた浅野忠信さんですが(違う)、今回は史上最高のタダノブだったんじゃないですか!?
他の方はどうか知りませんが、一昔前の「けだるそうに見えてホントにただけだるそうなだけのゆるい感じの兄ちゃん」っていうだけの役を
浅野忠信さんにぶつける映画が僕は大嫌いでですね。特に石井なんとかさんのアレとかは原作の必要性も映画としての面白味もゼロでした。
もともとそういう雰囲気映画みたいなのが好きじゃないので『マイティ・ソー』までは浅野さんの作品は観てなかったんですが(『殺し屋1』は一応観ましたが・・・)、
マイティ・ソー』観てからただ単にハリウッドデビューしたから凄いとかじゃなくて「おっ」と思いました。
なんか浅野さんは人を惹き付ける力が強いので、上に挙げたような使われ方をされていたと思うんですが、
この『マイティ・ソー』の(セリフが少なく、さらに異物感はあるものの)抑えた感じの演技を観てここに来て良いなぁと思ってました。
もちろん脇役な上にキャラがキャラですから鈍獣』とか『東京ゾンビ』みたいな感じの演技してたらケネス・ブラナーにぶっ飛ばされると思いますけどネ。
それでも偶然でも抑えたぐらいが一番魅力的だなぁと思っててその次が『バトルシップ』で、
これもはにかみ、時に怒りながらもアメリカの同志と和気あいあいする姿が良かったし、ここに来てグイグイ来てたんですが、
更に今回は邦画で渋さ満開の角刈りトラック運転手を演じててタタノブメーターがMAXを示しましたよ!!(興奮)
黙った横顔や佇まいはもはや高倉健さんのようでした!後半になるにつれて明らかに仲間が虫の息なのにちょっと浮かれ過ぎ感ありましたが、
あの船の抽象的な映像からのラストシーンは、印象的で甘さが無い非常に良かったです!!
典型的な幸せな終わり方を期待していた人は肩透かしというか腑に落ちなくて怒るかもしれませんが、そこまでして何故成し遂げたかということなどを考えると
とても余韻に浸れる良い終わり方でしたし、あの時のタダノブの様々な感情の籠った顔は最高ですよ!
しかも次回作は『47RONIN』の吉良役って最高ですよ!タダノブ最高ですよ!!(興奮)

・こういう映画で「観たい」シーン
上にもこういう映画で「観たい」がシーンが入ってたと書きましたが、このジャンルでの「観たい」シーンを具体的に言うと
必要な材料や道具等の準備シーンと、何らかの追手に追われるシーンと、作戦実行シーンですね。
それに爆破シーンやお色気シーンなどがあれば最高、シリアスな雰囲気の作品なら裏社会が垣間見れたら尚よし!という感じです。
というわけで「全部はいっとるやないか!!」っていうことなんですが、それに加えて『ヒーローショー』のような復讐の連鎖のシーンも観れて最高でしたね。
また途中で出てくる裏社会の男が取り仕切ってるのが、単なるAVですよーっていうのじゃなくて、
ジャンル的にも分類的にも社会的にも黒に近いグレーの「着エロ」っていうのも良かったです。
完全に本編の内容とは関係ありませんが、その男がグレーなものに出演するであろう女の子に指示を飛ばすシーンに
僕の好きなあずみ恋ちゃんというアダルト女優さんが出ていたことを僕は見逃しませんでしたよ!
シーン的にはほんの一瞬だったんですが観ていた時は「もしかして・・・」と思いエンドクレジットを観ていたらお名前がありました!
この嗅覚には我ながら恐ろしさを感じましたヨ。(何の話だ)
ここまでして確認しましたが、ネットにはそういった情報が無いので何かの間違いだったらもぅしわけありません・・・。(高嶋弟ばりの困り顔で)


・他のメンバー
タダノブ以外のメンバーも良かったです。妻夫木君はちょっと役に入り過ぎてて怖かったですけど、チャンミンも独特でしたし、
溝端淳平も手首切りながら「・・・あー・・っ」ってなっててガチの人感満載でしたし、桐谷健太のズッコケも最高でした。
ちなみにエロいシーンが少ないっていう件がありますが、はっきりいってこの五人の色気があればそんなもん良いんですよ!!
この五人のホモソーシャル感だけでお腹いっぱいです。


なんか他にも色々書きたいことありましたが、とにかく非常に心に刺さる映画だったということは間違いないです。
先にも書きましたが、明るい映画では無いので短期間で何度も観ようとは思いませんが、また観たいなと思ってます。


〜補足等〜
・良いキャストばかりで、特に田口トモロヲさんは丁度良い具合の面白さだったし、
イケイケの若い男の青木祟高さんの勢いは怖かったけど、その中でも一番キたのは桂雀々さん。
青木祟高さんのエピソードから溢れる真剣(ガチ)さに戦慄。
・ホントは『黄金を抱いて翔べ』を後に観て余韻に浸りたかった・・・。
・この日ビックリした感想その1。終わって帰る時、会話からチャンミン目的で観に来たと思われる20歳ぐらい女子の声で「最悪の映画だったねぇー。」・・・えっ!!そんな殺生な!!