『モンスターズ・ユニバーシティ』


(本編の声優は今まで通り)


モンスターズ・インク』の続編ということなんですが、話的には前日譚で「サリーとマイクの出会い」を描いた作品になっています。
前作の記憶も曖昧なまま観に行ったのですが、単品でも面白い作品でした。

観た感想としては前作よりも大人向けというか、ある程度人生経験を積んだ人向けだなぁと思いました。
それは単純に学生時代を描いているからということだけではなく、所々に覗かせる「見たくはないけれど見なければいけない」ものの描写が光っていたからです。
それは具体的に言うと、「仲が良いと思っていたのは自分だけだった時の寂しさ」「みんなそれぞれ寂しいからこそ、いとも簡単に途切れてしまう友情」など、
人生を上手く生きていける、もしくは心を鍛えている人にとってはなんてことない様なことなのかも知れないんだけど、
そういう人達だってほとんどの人が経験して、乗り越えてきた、もしくは挫けてきた様なことが描かれていたからです。

ランドールだってタイミングさえ違えば本当はめちゃくちゃ仲良くなった可能性だってあったんですよ・・・!!

でも本当にこの作品が偉いのは、その現実を描きつつそれをなんとか乗り越える所まで持って行っている所だと僕は思います。


そして、決してハッピーエンドではないんだけれども、不幸せでもなくて、思っていたよりもっと身近な所に幸せってあるんだよという感じの終わり方も素晴らしいです。
それ自体も十分素晴らしいのに(何故なら安易なハッピーエンドにした方が楽な上に誰にも責められないから)、更にこのエンディングを作ることによって、
時系列的にはこの作品の後になる『モンスターズ・インク』での「”あの活躍”があったのは決して幸せなことだけじゃなく、辛いことの方が多かった二人の学生時代からの歴史があったからこそ」
というシリーズの「層(厚み)」を作りだすことも出来ています。

自分達だけじゃなくて、ちゃんとあのサークルの人達も成長させているし・・・あれ?これって完璧な前日譚じゃね?って振り返って思っています!(実は観終わった後は少しモヤモヤした。)

このことを踏まえてこれを観終わった後に『モンスターズ・インク』を観ると感動も二倍増しなんじゃないでしょうか。
(観直したらCG表現が記憶より粗くて、改めてピクサーのCG技術の進歩を感じました。)


現実の世界のことを含んだ作品なので、ちょっと苦いですが素敵な映画だと思うのでちょっと躊躇している人にもおすすめします。


<補足等>
・『モンスターズ・インク』を観てから本作を観ると「あ!こいつこんな所にいる!」という楽しみ方も出来るよ!
・子供時代のマイク可愛すぎる
・映画自体も良かったけど、なめくじのアイツのお陰で劇場全体が「わははー」とホッコリしたのも良い思い出
・詳しくは書かなかったけど、人間界に入ってしまうシーンではホラー映画の様な描写が凄くておしっこチビりそうになった
・映画にもよるけど、こういう映画は映画館で親子連れの客と一緒に観るのが良いなと思った
ピクサー映画の恒例の短編は『ブルーアンブレラ』という作品で、途中まで実写だと思ってた。(震え)


最初の感想と後の感想のテンションがえらく違いますがご愛嬌!!




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