『七つまでは神のうち』
ストーリーはあえて書かない方が良いですね。
「恐ろしく怖く、恐ろしく良く出来たホラー映画」だと思いましたよ。
終始驚かせる手法しか能がなかったパラノイアみたいなタイトルのホラー映画(もちろん日本版も)や、
量産されるキャラものかモキュメントのどちらかしかないジャパニーズホラーばかりで正直飽き飽きしていました。
乱暴な書き方をしてしまいましたが、それぐらい鮮明にこの映画は良い作品だと感じました。
完全新作な上に様々なホラー要素を入れて、なおかつスマートに「終わらせていない」所も高評価のポイントでした。
回りくどい表現ばかりですが、ネタバレにならない程度に簡単に観ている時の感想を書くと、
OP「あっこういう系のホラー映画ね、はいはい」
↓
序盤「ん?話(系統)変わってね?大丈夫か?」
↓
中盤「なんだこれは、オムニバス作品か?」
↓
終盤「うわあああそういう事か!ああああ」
↓
ED「えっ!?・・・・えっ!!?・・・・うわぁ」
さっぱりわかりませんね(笑)。
誤解を恐れずに書くと、周到に練られた脚本でさえ良いホラー作品になるとは限らず、
ましてや広げるだけ広げた風呂敷を収拾する気のない作品すら存在していて、
その後味の悪さを「ホラーだから」という言葉で収められるのは我慢しがたいものがあるのです。
「怖さ」とは凄く主観的なものであって、だからこそホラー映画は人によって大きく評価が分かれるものだと僕は考えています。(ハードルもありますが)
その点、この作品は観客の「下手な勘ぐり」(これは意味があるんじゃないか?等)を逆手に取り、
序盤に「こういう映画ね」と思わせておいて油断している所を後ろから突くような上手さがありました。
終盤はまさに「何者かに後ろから殴られた」ような衝撃がありましたね。
前述した、スマートに「終わらせていない」という所は、しっかりとした脚本だからこそできる
ラストの「理不尽さ」という意味で書きました。
理屈がわかっただけに、「なるほどこういう理屈でこうなったからか!」と理解していた気でいると
「・・・・えっ!?」という恐ろしさ、これこそ「後味の悪いホラー映画」と言える作品だと思います。
こうかくと脚本ばかり目立ってる感じがしますが、ちゃんとホラー演出も凄かったですよ!
というか僕ホラーめちゃくちゃ苦手なんで(笑)、怖い雰囲気の所は完全に薄目で観てましたが、
それでも耳栓したくなる程怖かったです。正直こんな怖いと思ってなかった(笑)。
これだけキチンとしたホラー映画を観た経験は少なくて、劇場で観たホラー映画ではぶっちぎりでしたね。
(そもそもあまりホラー映画を劇場で観ませんが(笑))
ラストを踏まえた上でもう一度観たい作品でした。
あ、一応公式サイトのリンク張っときますが、サイト内のゲームが「精神的ブラクラ」らしいんで気をつけて下さい。
ちなみに僕はやってません。(もちろん怖いから!!)
逆再生はホントやめて欲しい。いや・・・やっぱやめて欲しい。(怖いから)
あと、言われている「焼けるシーン」は確かにもうちょっとどうにかならなかったのかなー(笑)。
まともな事ばっかり書いたので下衆い事を最後に書くと、
薫(メガネの女の子)役の子が良い感じで「何かさせてくれそうな近所のお姉ちゃん」ぽくて良かった!!(言ってる事最低)
あと、飛鳥凛ちゃんはホントに「嫌な演技」をさせると最高ですな!ちょい高飛車な役にドはまりしてました。